2023年6月21日(水)~23日(金)の3日間に渡り、東京ビッグサイトで開催されていた「日本ものづくりワールド」へ、22日・23日と行ってきました。
日本ものづくり ワールドは、10の専門展で構成される日本最大級の製造業の展示会です。IT、DX製品、部品、設備、装置、計測製品などを扱う企業が世界中から出展し設計、開発、製造、生産技術、購買、情報システム部門の方々と活発に商談が行われます。
自分の情報整理も兼ねて、少し内容をご紹介!
- 【3DCAD】IRONCAD Mechanical(クリエイティブマシン)
- 【AIxCAE】RICOS Lighting~流体解析を100倍高速化する独自のAI「IsoGCN」
- 【切削】モデリングマシン「TAKMill」(岩間工業所)
- 【3Dプリンタ】ペレット押出+CNCスピンドル「TITAN Atlas」
- 【3Dプリンタ】超高速光造形「Nexa3D Xip Pro」
- 【3Dプリンタ】生地に直接3Dプリント Stratasys J850 FabriX
- 【3Dスキャナ】FreeScan Combo(ケイズデザインラボ)
- 【計測・検査・解析】(東京貿易テクノシステム)
- 【ロボット】ロボットは、内製化できる。(オリエンタルモーター)
- 【生産管理】金型・部品製造管理システム「AIQ」
- 自動見積・受発注システム
【3DCAD】IRONCAD Mechanical(クリエイティブマシン)
IRONCADは、ドラッグ&ドロップでブロックや穴を積み重ねて簡単にモデリングできる3DCADです。装置・治具などの機械設計で活用されることが多い3DCADですが、今回、IRONCADのパワーブースター「IRONCAD Mechanical」が日本でリリースされました。
「IRONCAD Mechanical」は、IRONCADをより効率的な機械設計に向けて拡張するために “180以上” の機能が搭載されています。
例:鋼材、留め具、プロドリル、要素の置換、外部リンクマネージャー、パーツ番号カウント、アクティブマネージャー、アクティブパーツ、コードジェネレイター
【AIxCAE】RICOS Lighting~流体解析を100倍高速化する独自のAI「IsoGCN」
RICOS Lightningは、機械学習アルゴリズムでシミュレーション結果を予測するアプリケーションです。時間がかかるシミュレーションの計算をRICOS Lightningの予測におきかえることで、大幅な計算時間の削減が可能です。数日かかっていた空力性能の予測を数分にまで短縮した実績があります。
RICOS Lightningは、ブラウザベースのため直ぐに始めることができます。重い計算はRICOSの計算資源で実行されるため、専用のPCなどの設備環境を準備する必要がありません。
グラフニューラルネットワークをベースにした独自の機械学習アルゴリズム「IsoGCN」を使用。解析結果から情報を落とさず学習し、高精度な予測が可能。予測結果として出力されるものが3Dの情報であるため、詳細な評価・検討に使えます。
アルゴリズムに物理現象の特性を組み込んでいるため、従来のシミュレーション同様、まったく新しい製品形状に対しても信頼性の高い結果が得られます。解析結果をグラフに変換して計算を行うため、解析を安定させるための手間のかかるメッシング作業が不要になります。
【切削】モデリングマシン「TAKMill」(岩間工業所)
様々なモデリングマシン(※1)を開発販売している「岩間工業所」さんが、今回、切削加工の新時代を作る「TAKMill」の開発機を展示していました。
(※1)モデリングマシンとは、デザイナー・設計担当者自身が 自分のデスクサイドでモデルを切削し、設計・デザインの立体検証を行うための切削機のことで、TAKMillは最もシンプル切削加工機です。
ライトユーザー向けに機能をそぎ落とし、導入したその日から立ち上げ可能な新機能「アシストモード(※2)」を搭載。本来、手作業で行う「工具長測定」の設定作業を自動化することで、機械側の段取りのスリム化を実現しています。
機械本体幅1000mm以下に対して、ストロークがX軸:600mmxY軸:400mmと広く、より省スペースかつ広い加工範囲での切削を実現することができます。
(※2)アシストモードは、機械が提案するシンプルな手順通りに操作するだけで、切削加工に必要なすべての準備が整います。加工プログラム選択から送り速度の調整、ワーク設置までTAKMillが誘導してくれます。加工中に微調整も可能です。
AUTODESK社提供のツール「Fusion360」のCAM機能を利用して切削加工向けパスデータ作成を自動化し、APIで機械側にNCデータ出力できるシステムを開発しています。
【3Dプリンタ】ペレット押出+CNCスピンドル「TITAN Atlas」
米国Titan Additive(Titan Robotics)の買収により、3DSystemsの技術ポートフォリオに産業用MEX方式(材料押出法)が追加され、販売が開始したAtlasは、同じプラットフォーム上で付加 CNC 製造と除去 CNC 製造の両方を利用した高速ハイブリットの大型産業用3Dプリンターです。
材料には、フィラメントに加え、樹脂ペレットも可能で材料コストを最大 10 分の 1 まで削減し、プリントベッドで部品を自動的にフライス加工することで人件費を削減します。
【3Dプリンタ】超高速光造形「Nexa3D Xip Pro」
賑わっていた3Dプリンターブースを歩いていたら目に飛び込んできた「光を超える、世界最速プリンター!」の文字!最速1分で1cmの超高速プリントを可能とするLED硬化樹脂3Dプリンタ「Xip Pro」。ビルドプレート満載時でも1時間に24cm造形できます。
革新的なLSPc技術(Lubricant Sublayer Photo-curing:潤滑剤サブレイヤー光硬化)を搭載し、パワフルな新型ライトエンジンと7K解像度により、高精度、優れた寸法安定性、優れた表面品質を実現します。
LSPcプロセスのベースとなるのは、紫外線(UV)ライトアレイとLSPc光学層を組み合わせて作られた均一な光源です。この均一なUV光は、LSPc HCマスクを介して投射されます。LSPc HCマスクは、それぞれのプリントジョブで光重合が行われる適切な領域に光を調整して投射する役割を担います。最後に、LSPc独自のメンブレン膜を用いて硬化物とバットの間にノースティックゾーンを形成するとともに、レジンをバット全体に素早く行き渡らせ、次層への補充を確実に行います。
【3Dプリンタ】生地に直接3Dプリント Stratasys J850 FabriX
Stratasys J850 Prime FabriXは麻やフェルト、スウェードや皮革などの「生地」に直接3Dプリントができるマルチマテリアルフルカラー3Dプリンター。ファッションや自動車業界、コンシューマー製品など、生地を使う場面で新しい価値を提供します。60万色ほどのフルカラー表現ができ、硬質・軟質材料、透明・不透明材料の組み合わせが可能です。
【3Dスキャナ】FreeScan Combo(ケイズデザインラボ)
ブルーレーザーと赤外線レーザー(VCSEL)を搭載し、マーカーレスでの3Dスキャンや黒色や光沢な部品の3Dスキャンも行えます。コンパクトな筐体により、センサー感の距離が縮まり、より高精度に、また影になりスキャンしづらい奥の方までスキャンできるようになっています。
【計測・検査・解析】(東京貿易テクノシステム)
東京貿易テクノシステム㈱さんのブースでは、3Dスキャナをはじめ、様々な計測や解析ツールが展示されていました。
【ロボット】ロボットは、内製化できる。(オリエンタルモーター)
オリエンタルモーター㈱さんでは、モーターやアクチュエーターを組み合わせて自作するロボットについて展示がされていました。自作ロボットを簡単に制御できるコントローラ「MRC01」が提供されていて、ロボットの内製化をサポートしています。
【生産管理】金型・部品製造管理システム「AIQ」
生産・工程管理システム「AIQ(アイク)」は、金型・部品製造分野に特化し、自社の受発注情報をDB化し、日程・進捗・実績・負荷・原価をリアルタイムに連携し「見える化」することでムダを無くし、 機械稼働率を上げ生産効率を高めます。
展示会でのデモ説明では、今後、類似形状の検索ができるようになり、AI技術の搭載も検討されているとのことで、より高機能で使いやすいシステムになることが期待できそうでした。
自動見積・受発注システム
今回の展示会で人目を引いていたのが、受発注システムでした。
大きなブースとして、㈱ミスミの「meviy(メビー)」、キャディ㈱の「CADDi」がありました。
ミスミ:meviy(メビー)
meviyは、2D図面が不要で3Dデータで見積・発注ができます。板金加工、切削加工、樹脂加工に対応しています。溶接にも対応予定のようでした!
CADDi(キャディ)
CADDi MANUFACTURING
図面データをアップロードし、品質・納期・価格が最も適合する会社とのマッチングを可能にする金属加工品の受発注プラットフォーム。板金・切削・製缶・樹脂類の加工品を一式製作できます。
CADDi DRAWER
2D図面データを独自のアルゴリズムで自動解析。図面の情報を構造化されたデータとして蓄積し、そのデータから類似図面を簡単に検索。調達原価を低減、業務の効率性を向上し、担当者を非生産的な業務から解放します。
ゼロフォー
Goku~受発注サービス~
見積依頼/回答、発注/受注の業務プラットフォームを活用した購買・調達作業の効率化。
3次元モデルの利用、および3次元データ解析「PMXファイル」を活用した見積り業務の効率化。
これら2つのアプローチによるトータル的な業務効率化を実現します。2D図面のみでの利用もできます。
iQ-SERIES~板金・製缶・切削 3D自動見積りソフト~
3次元CADデータから簡単で早く、根拠のある金額が算出されます。
アセンブリデータもまとめて一括処理、溶接情報の自動判別機能も搭載されています。加工時間だけではなく、段取り時間も自動計算されます。Webの3D解析エンジンを使用するので、PCスペックのCADソフトも不要です。
所感
まだまだご紹介したい内容がありますが、ここまでとしたいと思います。
最近は、ChatGPTが話題ということもあるからか、AI(人工知能)に関しての展示も多くありました。AIを活用して学習させて作業精度を上げたり、類似部品の検索や作業分析など、AI活用が様々な分野で進んでいるようです。
今回、お世話になっている方々に久しぶりにお会いしお話しすることができたのもリアルイベントに行けた良さでしたね。残念ながらお会いできなかった方々は申し訳ありませんでした。またの機会に、ぜひ、お会いできればと思います。
色々とインプットできましたので、岩手県からアウトプットできるように頑張っていきます!