レポートNo.078:樹脂流動解析セミナー

レポートNo.078:樹脂流動解析セミナー

 2019年10月24日(木) いわてデジタルエンジニア育成センター(岩手県北上市)にて、講師にCAEソリューションズ様をお招きして「樹脂流動解析セミナー」を開催しました。

 樹脂流動解析を業務内に上手く取り込めると、成形、金型設計・改善から市場投入までの期間短縮等様々なメリットを得られます。樹脂流動解析とは、 目には見えないプラスチック成形品の射出成形過程における金型内の溶融樹脂の流れを可視化するもので、充填の様子をアニメーションで確認したり、樹脂圧力や温度分布の状態から、成形時のヒケやソリ、ウェルドラインなどの不良の予測や原因の分析等ができます。

 午前は座学として、プラスチック業界の動向や樹脂材料の基礎、射出成形機、金型の構造、成形不良の原因と対策などについて学びました。樹脂部品の成形不良には、ショートショット(充填不良)、ウェルドライン、エアトラップ(ガス焼け)、ヒケ(シンクマーク)、ボイド、反り変形、フローマーク、バリ、ジェティング、シルバーストリーク(銀条)、クラック(クレージング)など様々あります。これらの成形不良を樹脂流動解析を行い事前に検討して、どれだけ問題の洗い出しができるかが樹脂部品設計、射出成形金型設計において重要になります。

 午後からは、SOLIDWORKS Plasticsを実際に操作しながら樹脂流動解析について学びました。SOLIDWORKS Plasticsは、ミッドレンジ3次元CAD SOLIDWORKS(ソリッドワークス)に統合された、設計者向け射出成形シミュレーションソフトウェアです。 SOLIDWORKSにアドオンするので、習得が簡単で、設計の形状、適合性、機能を最適化すると同時に設計案を解析および修正可能です。

 現在、3DCADに統合された樹脂流動解析ソフトは、日本で2つしかないようです。そのうちの1つが今回セミナーで体験したSOLIDWORKS Plasticsです。

 パッケージはStandard、Professional、Premiumと 3種類に別れています。

 Standardの機能では、充填、ウェルドライン、ヒケ&シンクマーク、ショートショット、エアトラップを確認できます。プラスチック部品設計者向けで、設計初期段階で部品を製造用に最適化が可能です。

 Professionalでは、保圧、多数個取り、ランナーバランス、インサート成形、オーバーモールドが追加されます。 金型設計者および金型メーカー向けで、正確かつ使いやすい方法で金型の最適化が可能。スプルー、ランナー、ゲートを含む、シングルキャビティ、マルチキャビティ、および組み合わせ金型のレイアウトをすばやく作成&解析。さらに、ランナーシステムのバランスを調整し、サイクルタイム、型締力、ショットサイズを予測し、フィードシステムの設計を最適化可能。コストのかかる金型の作り直しを軽減できます。

 Premiumでは、材料検討や製造プロセスにも影響するソリに関する問題も効率的に検証可能。また、最適な金型の冷却ラインを検討し、製造コストと納期を削減できます。

 操作体験では、メッシュ生成、材料選択、ゲート選択、解析、結果確認までの 樹脂流動解析の基本的な流れと 活用するためのアプローチ方法について学びました。私も実際に操作を体験しましたが、ツリー上にある項目を右クリックして設定を行っていくことで簡単に解析を実行することができました。解析結果も分かりやすく表示され、アドバイザー機能もあり、不具合の説明や対策についても説明が出てくるため初心者の方にも優しいソフトだと感じました。

 講師であるCAEソリューションズ様もおっしゃっていましたが、樹脂流動解析に限らず解析ソフトウェアの用途は、物理現象を近似的に数値化および数式化し計算することにより、その解を得ることにあります。解析結果は、物理現象を近似化して解いた物理量に過ぎません。解析は問題の解決を自動的に行ってはくれません。問題点を認識し、その解決策を導き出すのは人間です。ソフトを活用するとは、パラメータ入力⇒解析実行⇒結果考察⇒再解析のPDCAを解析業務として行っていくことです。

 今回の講師であるCAEソリューションズ様では、Webで学べるe-learningの提供も行っています。ご興味のある方は、下記のURLからアクセスしてみてください。

CAE通信教育(eラーニング)―CAEソリューションズ様
https://cae-sc.co.jp/kouza.php

当日のセミナーの様子(ダイジェスト動画)

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