2024年5月15日(水)北上オフィスプラザ(岩手県北上市)を会場に講師には株式会社GRIPS様をお招きしまして、ロボット導入に関するセミナーを開催しました。
午前の講演では、トップダウン型とは異なるオープンソース技術を切り口に、ロボットを活用したボトムアップ型の工場のスマート化、自動化への取組みについて、事例も交えながら分かりやすく解説していただきました。これまではシステム構築するのに高額な費用が必要でしたが、徐々に安価で購入できるものが増え、無料のオープンソースなども活用することで、スモールスタート、アジャイル開発が可能となってきているとのことでした。
午後の体験会では、いわてデジタルエンジニア育成センターの講義室を会場に、20万円以下で購入できる卓上型ロボットアーム「Dobot Magician」を実際に動かしながら、ビジュアルプログラミングやPythonを使っての操作制御の方法を学びました。
Dobot Magicianは、3軸+1軸の卓上型ロボットアームです。可搬重量500g。エンドエフェクタが3種(吸う、掴む、書く)の他、用途に応じたエンドエフェクタを製作することによって、様々なワークに対応が可能です。制御ソフトウェアが付属し、ハンドティーチングや、ビジュアルプログラミングなどの操作性に定評があります。主な用途として、工場内の軽作業の自動化や技術者の研修・教育用途など、その汎用性の高さを活かして様々な分野で導入されています。
はじめは、教育用途で作られたロボットみたいですが、実際の生産現場でも使用できるのではないか?という声があったのをきっかけに、現在、日本では実際の工場現場でも使用されるようになったとのことです。位置繰返精度は、0.2mm。高価格なロボット比べると精度は落ちますが、そこまで精度を求めない作業や治具などの工夫により活用が進んできているとのことでした。
Dobot Magicianを「ロボット」導入となるとハードルを高く感じてしまう人もいるので、「プログラミングができる電動工具」と例えて導入している企業もあるとのことでした。
Dobot Magicianに限らずロボットは、万能ではなく、同じ作業を行うのが得意なので、人が行うのが難しいのでロボットにやらせようとすると難易度が高いので、簡単な繰り返し作業を低コストで自動化することを考えていった方が良いとのことでした。特定の期間の繁忙期に対応するため、人員の増員ではなく、ロボットを導入し固定費の削減に寄与した例もあるみたいです。
今回は、20万円以下で購入できる「Dobot Magician」を体験会では使用しましたが、40万円程度で購入できる「Dobot MG400」もあるとのことでした。「Dobot Magician」の産業向けの上位機種として位置づけられ、 Dobot Magicianの廉価で汎用性の高い特徴を生かしつつ、 より製造現場での利用がしやすい機能が実装されています。
アームを駆動するすべてのモータにはアブソリュートエンコーダが実装され、 独自開発のサーボドライブとコントローラにより繰返し精度を±0.05mmに向上されています。 本体背面にはEthernetポートが2つ用意され、 PCを直結した制御環境のほか、 TCI/IPによる遠隔操作や、 Modbusによる外部機器との連携システムも構築が容易になっています。運用面の機能として、 衝突検知機能が実装されており、 感度と検知後の動作を設定することができるようです。
ロボット導入による生産現場の自動化はじめの一歩セミナー
日 時:2024年 5月 15日 (水) 10:00~16:30
場 所:北上オフィスプラザ 2F セミナールーム、いわてデジタルエンジニア育成センター
講 師:株式会社GRIPS
主 催:株式会社北上オフィスプラザ、職業訓練法人北上職業訓練協会
主 管:いわてデジタルエンジニア育成センター
協 力:岩手県、北上市