2022年1月27日(木)、28日(金)の2日間 、(財)釜石・大槌地域産業育成センター(岩手県釜石市)を会場に岩手大学主催のCAE講習の講師をしてきました。
ものづくりを取り巻く環境が大きく変化してきている中で、品質向上、コスト削減、納期短縮、人材不足など様々な課題があります。CAE(シーエーイー)を活用すれば、経験と勘に頼ったものづくりから脱却し、企業競争力を高めることができます。いまはソフトやハードの進化もあり、導入しやすい環境にもなってきています。
CAE講習では、SOLIDWORKS Simulation機能を使用した線形静解析について行いました。
CAEとは、Computer Aided Engineeringの略で、そのまま日本語に翻訳するとコンピュータによる工学支援となります。つまり、コンピュータで工学的な計算を行い、仮想で物が壊れないかや空気の流れなどを実験(シミュレーション)する技術のことです。CAEのことを解析やシミュレーションとも呼びます。
線形静解析とは、力(応力)を加えたときに伸び(歪み)が比例関係にある、例えば、力を2倍にしたら伸びも2倍、力を3倍にしたら伸びも3倍になるような関係を直線(線形)で計算でき、衝撃的な力(衝突や落下など)ではなく、ゆっくりと荷重を加えることを想定した構造解析です。
講習では、操作方法だけではなく、CAEに必要な材料力学、有限要素法などの座学についても行い、活用するためのポイントや注意するべき点などについても説明を行いました。
CAEでは、人間が与えた設定値をもとにコンピュータによる計算が行われます。人間が間違えた設定値を与えると間違った回答が出てきます。電卓で数値を打ち間違えると違う答えになりますよね。正しく設定するためには正しい知識が必要となり、経験も必要となってきます。
CAEはソフトを導入しただけで直ぐに活用するのは難しいですが、今回の講習が今後の活用の少しでも役に立てば幸いです。