2019年12月3日(火)、宮城県産業技術総合センターで開催された「3Dプリンティング ワールド in 明通 2019」に参加してきました。
最新の国際技術情報をいち早く学べるセミナーで、2017年は台湾の金属AM技術動向、2018年はドイツformnextの最新動向をテーマに開催されています。
今年2019年は、世界と戦うドイツの 最先端技術とムーブメントをテーマに、ドイツ FIT AG アルベルト・クライン氏から「3Dプリンティングからアディティブマニュファクチャリングへ - 現在の状況」について基調講演がありました。
FIT AGは、積層造形に関して約25年の経験を持つ業界の先駆者で、 現在280人の従業員を擁し、設計から解析、製造、後処理に至るまで、3Dプリンティングのバリューチェーン全体を業務とし、多くの 3Dプリンタ、ソフトウェア、、工作機械などを保有。アディティブマニュファクチャリング(3Dプリンタ)は、すべての場合に最適なソリューションではないため、CNCフライス加工、射出成形、鋳造など、多数の技術を組み合わせたサービスを展開されているようです。マシンのメンテナンスも自分たちで行っており、個別のコンサルティングおよびトレーニングサービスも提供されていました。ドイツでの3Dプリンタをはじめとしたモノづくりへの本気な取組みを知ることができました。
ドイツといえば、 政府が推進する国家プロジェクト 「インダストリー4.0( 第4次産業革命 )」
ロボット・マシンと人工知能(AI)の2つがキーテクノロジーで、AIソフトはコスト面での最適解を見つけてくれるため、ドイツ政府は多大な投資をしているとのことでした。
メルケル首相がサイバーフィジカルシステム(CPS)の名前が好きではなかったので、インダストリー4.0という名前に変えたみたいです。(これは初耳でした)
3Dプリンタの造形した物の品質を管理する場合、まずは材料の管理が重要とのことでした。材料の品質が悪ければ良いものができません。確かにそうですよね。また材料コストを下げるには、材料をリサイクルして使用できる技術も必要になってくるとのことでした。
ドイツの状況について勉強した後、午後は東北大学 金属材料研究所 千葉 晶彦 教授から「金属AMの技術課題と研究開発」、日本積層造形株式会社(JAMPT)様から「国内外における金属3D技術活用の最新事例のご紹介」、キョーユー株式会社様から 「これまでの事業展開及びAM技術への取組みについて」、宮城県産業技術総合センター様から「みやぎデジタルエンジニアリングセンターの概要」、名古屋大学大学院 工学研究科 加藤 準治 教授から「トポロジー最適化支援 Additive Manufacturingの先にあるもの」について講演がありました。
3Dプリンタや造形品、解析ソフトウェアなどの展示コーナーもあり、実際に物を見て、聞いて3Dプリンタの世界、日本の状況について学ぶ事ができました。 日本は、まだまだ遅れているとのこと、頑張らねば!!!